沸(にえ)のある刀剣

沸(にえ)のある刀剣

沸(にえ)のある刀剣 刀剣を、刀鍛冶が作る光景を、テレビなどでご覧になった方も多いことでしょう。
いよいよ仕上げの焼き入れに入る直前、刀剣の材質は、オーステナイトという組織になっています。
これを水中で急速に冷やすと、刃の部分が、マルテンサイトという組織に変化します。
マルテンサイトは、非常に硬くなっていて、物を斬ることに優れた特性を有します。
一方、地金の部分は、トルースタイトという組織に変化します。
一振りの刀に、この2種類の組織が混在することによって、あの刃文の美しい模様ができあがるのです。
刃文の境目には、マルテンサイトとトルースタイトの粒子が混在しているのですが、この粒子を肉眼ではっきりと確認できるものを、沸といいます。
特にこの状態が強く見られるものを、沸出来といい、鎌倉初期の作刀や相州物の系統に多く見られます。
このような模様が浮き出ている部分は、摩擦を減少させる効果もあります。
見た目だけではなく、機能美をも兼ね備えているのです。

匂(におい)のある刀剣

匂(におい)のある刀剣 刀剣は、日本文化の極みです。
その美しさ、鋭さは見る人を魅了してやみません。
そんな刀剣は、刀鍛冶の手によって作られていることは、ご存じのことと思います。
では、刀鍛冶によっては、匂いのする刀できる、という話はお聞きになったことがあるでしょうか。
日本刀は、刃の部分と地の部分では、厚みや硬度が違います。
そして焼き入れの後は、それがはっきりと際立つのです。
同時に、刃文といわれる白い模様が浮き出てきます。
これは、焼き入れすることによって、刃と地金の材質に違いが現れてくることによるものです。
この刃文の境目が、ぼんやりと白い霞のように見えている状態を、匂と呼ぶのです。
刀剣において、この状態が強いものを、匂出来といいます。
このような作風は、鎌倉中期以後の備前物や、南北朝時代の備中青江物などに代表されています。
実際に刀剣を見るときは、刃に浮き出ている、たなびく霞のような美しさに注目してみてはいかがでしょうか。

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「刀 沸」
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Twitterタッカー@暫くこれでいく@nora_810_snow

返信 リツイート 12:39

RT @yosimitu_sword: 【#水木良光メモ ・講座参加①】 来国俊の刃文は、細直刃が斑なく焼かれ、精良な地鉄と相まって実に上品。 鋒は小丸に返り、掃きかけが加わる事で帽子を良く引き締めている。 『来』特有のうつりが明るく入り、その崇高とも言える美を発揮した一…

Twitterタッカー@暫くこれでいく@nora_810_snow

返信 リツイート 12:39

の焼きを入れる際、水中で急冷せず、油の中に入れて焼きを入れる方法を油焼入れという。刃縁のがやわらかくの深い刃が入るといわれている。焼割れ防止にはなるが、肌色は美術的ではない模様。

返信先:@kannagirinotami ふぅむ、極端に言えば保存状態次第ってことですかね。 まぁ物撮りという点で見れば、被写体を最高の状態に保つ事は何においても同じですな。 薙直しということは、名の通り薙に直したものですか。 刃紋の陰影やの流れ?まで、とても綺麗に写ってますねー。

と匂はどちらか片方のみが刃にあるわけではなく混在する。の多い出来のと言い、匂の多いを匂出来のと言う。

担当学芸員に頼まれたので、告知&評価。 津田助直が亡くなる数ヶ月前に鍛えた、最後の一振りにして最高傑作。通常亡くなる直前のものは力を失いますが、そんなものは微塵にも感じさせない。渡された写真からは師である助広が創始した濤乱刃を焼き、も均一につくのが分かる。(魂の造形-日本展より pic.twitter.com/KchKLAIgzs

先端は両刃、中程からは片刃。反りはごく僅かで、身に樋が入る『小烏丸造り』と呼ばれる品です。日本としては古い型で、斬ることよりも刺突に向いた造りでした。 刃長は短いけれど刃紋も明るく、もしっかり付いています。黒檀と思われる外装も落ち着きがあって気に入ってます。 # pic.twitter.com/GiIjFxUmJh

返信先:@HrXi38Srx6rQZ7h ただ、ここで一つ面白いエピソードがあります。 相州伝至上主義だった江戸時代、佐賀藩主・鍋島勝茂が『越中則重が如く厚く付きたる』を作るよう命じた書状が残っています。 宗次が城下に残っていてくれれば、宗次の相州伝、忠吉一門の山城伝双方の名を量産する事ができただろうにと思います。

切先は日本の華である。刃を鍛錬して磨き上げた後自分の前に立ててかざした時、茎尻から茎へ、刃へ、鎬筋や身幅の太さやに匂、刃文の微細なはたらきを眺めてゆき、視線は自然と切先に向かいその先の一点に集約される。

匂は靄のようで覇気が無いとされ、鑑賞としてはに人気が及ばぬようである。しかし武用としては、出来の方が折れやすい為匂出来のの方が適していると古来から言われていた。